![]() 両眼瞳孔測定器
专利摘要:
両眼瞳孔測定器装置には、患者の相対的求心性瞳孔障害(RAPD)を算出するための処理手段が設けられ、RAPDは、左眼と右眼との2つの瞳孔反応を一致させるように移動するために必要なシフト量として算出される。瞳孔反応は平行ではなく、瞳孔反応の間および刺激強度に対する平均変化率の間で同一の面積差を有することで修正瞳孔反応が決定される。RAPDは、観察された瞳孔反応ではなく修正瞳孔反応から算出される。瞳孔測定器の改良には、ディバイダが左側刺激チャネルと右側刺激チャネルとの間に設けられることが含まれる。 公开号:JP2011512977A 申请号:JP2010549190 申请日:2009-03-04 公开日:2011-04-28 发明作者:ダニエル;ロバート;スタフォード テイラー, 申请人:プロキオン インストゥルメンツ リミテッド; IPC主号:A61B3-11
专利说明:
[0001] 本発明は、一般的に人間(絶対という訳ではないが)の被験者の眼の瞳孔寸法(瞳孔直径)を求めるための装置である両眼瞳孔測定器に関するものである。1つの実施形態では、本発明は、被験者の相対的求心性瞳孔障害(RAPD)を評価するための両眼瞳孔測定器に関係する。さらにまた、本発明はそのような瞳孔測定器の利用に関するものである。] 背景技術 [0002] 瞳孔測定器にはさまざまな用途がある。1つは、たとえば網膜の病変により、または視神経のダメージにより、眼から脳への神経信号が一方側で悪化する病気である相対的求心性路瞳孔障害の評価である。一般的に、右側瞳孔および左側瞳孔は、光刺激に対して双方で反応するので、このような刺激は一方の眼のみに加えられると、両側の瞳孔が収縮する。健康な被験者では、縮瞳量は、いずれの眼が刺激されても同じである。しかしながら、相対的求心性瞳孔障害が存在すると、一方側の刺激に応じて、両側の瞳孔が収縮するものの、刺激が患眼に加えられた場合、両側の収縮は小さい。] [0003] 相対的求心性瞳孔障害を診断するための従来の臨床診断法としては、交互点滅対光反射試験がある。この方法では、交互に各眼の中に1または2秒間、照射する携帯型のフラシュライトを用いて、臨床医が瞳孔反応の大きさに差異があるか否かを判断する。そして、観察された異常の大きさを推定するために一組の小さな減光フィルタを用いており、健康な眼の中に光を照射すると、このようなフィルタによってフラッシュライトは遮蔽されることになる。フィルタの密度は、健康な眼のフィルタ処理された後の照度と患眼のフィルタ処理されていない照度とが等しい瞳孔反応を起こすまで調節される。この密度が求心性瞳孔障害の大きさ(重篤度)の指標となる。] [0004] 迅速かつ簡単であるが、この手法は、必然的に主観的であるため、手術中に変化する恐れがある。さらに、この手法では、反応の大きな眼に対する刺激を減衰させる必要があるので、最後の測定は、比較的低い反応レベルでなされる必要があり、分解能が低下し、測定誤差が大きくなることになる。] [0005] カラボーコバ等(Kalaboukhova、et al)、神経眼科30、ページ7〜15(2006)、には、瞳孔反応検出用の2つのデジタル高解像度ビデオカメラ(各眼に対して1つのカメラ)、両眼を交互に刺激的に照明することを可能とする2つの白色光放射ダイオードランプ、および1つのバックグラウンド赤外線照射装置からなるカスタムメイドの瞳孔測定器を用いて、相対的求心性瞳孔障害を測定するための客観的方法が記載されている。鼻の各側面にフィットする2つの厚紙スクリーンにより、両眼を分断し、反対側からの迷光が眼の中に入ることを防止している。この装置は暗室に設置されており、患者は、調節性縮瞳を回避するために部屋の他方の端部の離れた濃い赤色の固定光を見るように要求される。0.5秒のパルスで交互に刺激したあとに1秒間の停止が続くパターンが、相対的求心性瞳孔障害検出に対する最良の刺激パターンであること分かっており、このような形態の瞳孔測定瞳孔が、良好な感度と特異度を有する正常な眼から、緑内障の眼を区別することができることが報告されている。] [0006] 明らかなように、必要な電子回路部品や専用暗室の必要性を含んだ多くの装置要件により、この手法の適用性を制限し、かつコストの非常に高いものとしている。刺激手段および瞳孔反応を検知するための手段が一緒に収容されて統合ユニットを形成する携帯型の両眼瞳孔測定器が、WO−A−94/07406号およびWO−A−2006/032920号に記載され、公知となっている。後者の文献にはさらに、自由に繰り返された1回以上の各刺激レベルと共に、刺激光パルスが4つ以上の強度レベルで各眼に交互に照射される相対的求心性瞳孔障害を診断するための瞳孔測定法が記載されている。各刺激レベルは一または複数回、適宜、繰り返される。(たとえば、瞳孔径または面積の変化によって測定されるような)収縮の程度、収縮最大速度、または収縮平均速度、刺激開始と収縮開始との間の待ち時間、再膨張時間、あるいは特定の程度(たとえば、25%、50%または75%)の収縮、および/または再膨脹に達するための時間など、一以上の瞳孔反応パラメータが記録される。そして、各刺激レベルに対して選択されたパラメータの平均値をレベル強度に対して(たとえば、グラフとしてまたはデジタル式に)プロットし、瞳孔反応プロフィールを得る。] [0007] この手法では、健康な被験者の両眼の反応プロフィールは、ほぼ完全に重なり合う。他方、相対的求心性瞳孔障害を有する患者については、一方の眼に対する刺激は、他方の眼に対する刺激よりも一貫して低い反応となる。障害の程度は、刺激強度軸の方向に2つのプロフィール間のシフト量を求めることにより定量化することができる。というのは、このシフト量は、これらの2つのプロフィールを一致させるために必要となる光強度スケールファクタを表しており、交互点滅対光反射試験で得られる減光フィルタの密度の大きさと等価となるからである。] [0008] 注意深い調査の結果、本発明者は、以下のことを発見した。すなわち、一部のケースとして、例えば、片側性疾病患者、またはダメージが非対称に現れる両側性疾病患者があり、片側性疾病患者、またはダメージが非対称に現れる両側性疾病患者(たとえば初期の緑内障)では、一方の眼への刺激は、他方の眼への刺激よりも小さい振幅反応を生成させるので、これらの振幅反応特性ラインは平行とならない。すなわち各眼に対する刺激強度に対する瞳孔反応の変化率が異なっている。このため、WO2006/032920号に示されている技術をこのような患者の瞳孔反応の観察に適用した場合、誤った結果を生じさせる可能性がある。] [0009] この課題を解決するために、第一の広い態様では、本発明は、処理手段により自動的に実行されるRAPDを算出するための新規のアルゴリズムを提供する。このアルゴリズムは、以下のステップを含む。すなわち、記録された瞳孔反応データから、左眼および右眼の各々の強度に対する、相互に平行とはなっていない見掛け瞳孔反応データを測定するステップと、 刺激強度に対する瞳孔反応の変化率が左眼および右眼の見掛け瞳孔反応の中間にある修正瞳孔反応データを生成するステップと、 修正瞳孔反応データに基づいて相対的求心性瞳孔障害値を算出するステップと、 修正瞳孔反応データに基づいた相対的求心性瞳孔障害に関する値を出力するステップと、を含む。] [0010] 他の態様によれば、本発明は以下に示す、被験者の相対的求心性瞳孔障害を評価するための両眼瞳孔測定器装置を提供する。すなわち、この両眼瞳孔測定器装置は、独立して各眼に異なる強度の複数の刺激となる可視光パルスを加えるように構成されている刺激手段と、左眼および右眼に関する個別の瞳孔反応データを生成および記録するように構成されている感知手段とを有している両眼瞳孔測定器を備え、 当該両眼瞳孔測定器装置は、 (i)記録された瞳孔反応データから、互いが平行ではない、前記左眼および前記右眼の各々の強度に対する見掛け瞳孔反応を求め、 (ii)前記左眼および前記右眼の強度に対する見掛け瞳孔反応間の面積差Dを算出し、 (iii)前記左眼および前記右眼に関する修正瞳孔反応であって、相互に平行であり、前記左眼の見掛け瞳孔反応と前記右眼の見掛け瞳孔反応との中間で傾斜し、面積差Dによって分離されている修正瞳孔反応を生成し、 (iv)左眼および右眼の修正瞳孔反応に基づいて相対的求心性瞳孔障害に関する値を算出し、 (v)修正瞳孔反応に基づく相対的求心性瞳孔障害に関する値を出力することにより、被験者の相対的求心性瞳孔障害を算出するように構成されている処理手段をさらに備えている。好ましくは、処理手段は、両眼瞳孔測定器内に収容されているプロセッサである。出力された値を表示するためにスクリーンをハウジングに設けてもよい。他の構成では、処理手段は、たとえば、USBケーブルの如き電気リード線を介して、赤外線通信、WiFi(登録商標)通信またはBluetooth(登録商標)通信の如コネクションレス接続を介して、またはインターネットを介するコンピュータとの通信を通じて、両眼瞳孔測定器と通信するコンピュータのプロセッサであってもよい。] [0011] 好ましくは、この両眼瞳孔測定器は、被験者の眼に対応して位置決めされた接眼レンズと、前記左眼と前記右眼とに関する別個の瞳孔反応データを生成および記録するように構成され、ハウジングに一緒に収容されている感知手段と、交互に前記左眼と前記右眼とに独立して刺激可視光パルスを加えるように構成されている左眼刺激手段および右眼刺激手段とを備えており、前記左眼刺激手段および前記右眼刺激手段が分断手段により光学的に分断されており、前記左眼刺激手段および前記右眼刺激手段の各々が照射可能スクリーンを有しており、この照射可能スクリーンが、それらがともに関連付けられた可視固視点を有しているとともに、当該スクリーンと接眼レンズとの間に位置する対物レンズを通じて視認可能となっており、前記スクリーンおよび前記レンズが、観察可能な視野角が少なくとも9度であるように構成されている。好ましくは、瞳孔測定器は、各眼に対して一連の可視光パルスを生成するようにプログラムされており、これらのパルスは、迅速な一連のフラッシュとして、順番に各眼に独立して送られる。なお、これらのフラッシュは、左側チャネルと右側チャネルとの間で対称的に交互に送られ、3つ以上の異なる強度レベルのうちの1つの強度レベルで、1組のフラッシュとして与えられる。このことにより、瞳孔測定器への被験者の姿勢を乱すことなく与えられた時刻にほぼ同一の条件下で、左眼および右眼の瞳孔反応を測定することができる。] [0012] これが両眼瞳孔測定器の好ましい形態であるものの、処理手段のアルゴリズムは、はるかに広い用途を有しているので、複数の異なる強度の可視光パルスを独立して各眼対して加え、各眼から得られた瞳孔反応を記録することによりRAPDを測定する他の形態の瞳孔測定器およびこのような装置から収集されるデータに用いることができる。] [0013] 見掛け瞳孔反応は、反応データが直線に適合するものとして、たとえばy=mx+cの式に反応データを適合させて算出する。この式で、yがmm単位で記録された振幅であり、xはdB単位での網膜からの照度の強度であり、mは直線に適合させた反応の傾斜であり、cは振幅軸上の切片である。修正瞳孔反応の傾斜は、左側見掛け瞳孔反応の傾斜と右側見掛け瞳孔反応の傾斜との間のどこかにあるという意味において、これら見掛け瞳孔反応の傾斜の中間であると言える。その場合に、右眼の瞳孔反応が左眼の瞳孔反応よりも傾斜が大きい場合、左眼(ml)、修正(mm)および右眼(mr)の瞳孔反応の傾斜は、関数ml<mm<mrを満たし、反対の条件が適用された場合、その逆となる。理想的には、修正瞳孔反応の傾斜は、2つの見掛け瞳孔反応間の中間の位置から25%以内にあり、さらに好ましくは10%以内にある。最も好ましくは、修正瞳孔反応は左眼および右眼の見掛け瞳孔反応の平均である。他の実施形態では、修正瞳孔反応の傾斜がほぼ中間の傾斜となるように決定する、修正瞳孔反応が左眼および右眼の見掛け瞳孔反応の最頻値、平均値、または他の関数であってもよいと想定される。好ましくは、見掛け瞳孔反応の各々の強度に対する振幅を積分し、一方から他方を減算することにより見掛け瞳孔反応間の面積差Dを算出してもよい。また、好ましくは、面積差Dは、2dBの強度範囲にわたって算出される。これは、lux単位では100倍の変化に相当する。] [0014] 好ましくは、修正された左眼および右眼の瞳孔反応は、直線で表される反応であり、平行四辺形の上底および下底を規定している。平行四辺形のその他の辺は、強度軸の境界(端)、たとえば、0dBおよび2dBにより与えられてもよい。] [0015] 他の実施形態では、処理手段は、見掛け瞳孔反応間のほぼ中間値、たとえば二つの平均値である中間瞳孔反応を生成し、これから、左眼および右眼の修正瞳孔反応のうちの一方または両方が、見掛け瞳孔反応間の面積差Dを考慮に入れて求めることもできる(単に1つの修正瞳孔反応が求められる場合は、D/2となる)。] [0016] RAPDを、2つの修正瞳孔反応を一致させるために必要となる、強度軸に沿ったシフト量を求めることにより算出してもよいし、中間修正瞳孔反応と一つの修正瞳孔反応とを一致させるために必要となる強度軸に沿ったシフト量を求めて、その量を2倍することにより算出してもよい。このシフト量、すなわちRAPD値を、与えられた振幅における瞳孔反応の分離(距離間隔)を求めることにより算出してもよい。好ましくは、この分離(距離間隔)は、下側の修正瞳孔反応が0dBの値で強度軸と交差する振幅幅(Y軸)について算出される。] [0017] 好ましくは、両眼瞳孔測定器装置の処理手段は、直接対光刺激状態下で各眼について測定される見掛け瞳孔反応に基づいてRAPDの値を算出および出力する。好ましくは、両眼瞳孔測定器装置の処理手段は、共感性対光刺激状態下で各眼ついて測定される見掛け瞳孔反応に基づいてRAPDの値をさらに算出および出力する。] [0018] この新規の面積正規化手法(area normalisation method)に従ってRAPDを求めるためのアルゴリズムを、他の形態の両眼瞳孔測定器に適用してもよい。従って、他の態様によれば、本発明にかかる被験者の相対的求心性瞳孔障害を評価するアルゴリズムは、 (i)記録された瞳孔反応データから、互いが平行ではない、左眼と右眼との各々の強度に対する見掛け瞳孔反応を求めるステップと、 (ii)左眼および右眼の強度に対する見掛け瞳孔反応間の面積差Dを算出するステップと; (iii)左眼および右眼に関する修正瞳孔反応であって、相互に平行であり、左眼の見掛け瞳孔反応と右眼の見掛け瞳孔反応との中間で傾斜し、面積差Dだけ分離されている修正瞳孔反応を生成するステップと、 (iv)左眼および右眼の修正瞳孔反応に基づいて相対的求心性瞳孔障害の値を算出するステップと、 (v)修正瞳孔反応に基づき相対的求心性瞳孔障害の値を出力するステップと、を含んでいる。] [0019] 他の態様では、本発明に係る患者の相対的求心性瞳孔障害を評価する方法は、ステップ(iii)の代わりに、上述した中間の瞳孔反応ならびに左眼および右眼の修正瞳孔反応に基づいて相対的求心性瞳孔障害の値を算出するステップの前に、左眼の見掛け瞳孔反応と右眼の見掛け瞳孔反応との間の中間にある、強度に対する中間の瞳孔反応を算出するステップと、中間の瞳孔反応に続く、強度に対する左眼および右眼の修正瞳孔反応を求めるステップと、中間の瞳孔反応および修正瞳孔反応に基づく相対的求心性瞳孔障害の値を出力するステップとを含む。好ましくは、相対的求心性瞳孔障害(RAPD)の値を出力するステップは、直接対光刺激条件下で各眼に対して測定される見掛け瞳孔反応に基づくRAPD値を出力するステップと、共感性対光刺激条件下で各眼に対して測定される見掛け瞳孔反応に基づくRAPD値を出力するステップとを含んでいる。装置に関して先に記載された他の好ましい特徴は、この実施形態にも同様に適用される。] [0020] この方法は、コンピュータプログラム製品に搭載されるソフトウェア内に具象化されてもよいし、または、両眼瞳孔測定器のハードウェアの中に構築されてもよい。] [0021] WO−A−2006/032920号には、強力な臨床ツールとして認められた統合両眼瞳孔測定器について記載されている。両眼瞳孔測定器は著しく発達しているが、測定の精度および確度を向上させるさらなる進歩がなされることが望ましい。] [0022] 本発明のさらなる態様では、被験者の相対的求心性瞳孔障害を評価するための統合両眼瞳孔測定器であって、被験者の眼に対応して位置決めされた接眼レンズと、左眼と右眼とに関する個別の瞳孔反応データを生成および記録するように構成されている感知手段と、これらと一緒に収容され、交互に左眼および右眼に対して独立して刺激可視光パルスを加えるように構成されている左眼刺激手段および右眼刺激手段とを備えており、左眼刺激手段および右眼刺激手段が分断手段により光学的に分断されており、左眼刺激手段および右眼刺激手段の各々が照射可能スクリーンを有しており、この照射可能スクリーンが、可視固視点を有しているとともに、当該スクリーンと接眼レンズとの間に位置する対物レンズを通じて視認可能となっており、スクリーンおよびレンズは、観察可能な視角が少なくとも9度、好ましくは14度、さらに好ましくは20度以上であるように設定されている統合両眼瞳孔測定器が提供されている。] [0023] WO−A−2006/032920号以来の両眼瞳孔測定器の重要な変更は、左側刺激チャネルと右側刺激チャネルとの間の完全な分断を担保するということである。本発明者は、瞳孔反応が光の強度で変化する非常に対数的特性を有しているため、右眼が、左眼を対象とした光のわずか1%の光を受光したとしても、著しく収縮してしまうということを見出した。このことは、見掛けRAPD、すなわちWO−A−2006/032920号などで示唆された技術を用いて、被験者から観察したRAPDに対して直接的な影響を与える。したがって、共通の視覚固視点の薄明かりでさえ見掛けRAPDに影響を与えるのに十分であることが見出されている。各チャネルにそれ自体の視覚固視点を設け、分断手段を用いて左側刺激手段と右側刺激手段とを光学的に分断することで、例えば1%未満に二次汚染を減らすことによって、測定された瞳孔反応およびRAPDの感度および確度が著しく向上する。実際問題として、二次汚染を、例えば実質的に1%未満、0.1%未満に減らすことが可能であり、そしてほとんどの場合、0.01%未満にまで減らすことさえ可能であることを見出した。基本的に、装置の接眼レンズに位置する照度計を用いる場合、刺激チャネル間において検出可能な光の二次汚染がないことが必要である。] [0024] WO−A−2006/032920号に係る両眼瞳孔測定器は、当該瞳孔測定器の左外側面と右外側面とを形成するように成型されたシェルを有するハウジングを備えている。これらのシェルは、共同で、左側刺激手段および右側刺激手段の可視光学機器を収容する第一のポケットと感知手段赤外線光学機器を収容する第二のポケットとを形成する内部パーティションを有している。また、このパーティションは、赤外線光を第一のポケットから第二のポケットの中へと進ませるとともに、可視光線を第一のポケット内に留めることを可能とするコールドミラーを保持する役目もしている。本発明では、両眼瞳孔測定器は、左側チャネルと右側チャネルとの間に分断手段を設けて、これらを光学的に分断するということを特徴とする。このことは、二つの可視固視点を左側照明スクリーンおよび右側照明スクリーンの各々に対して一つずつ設ける必要がある。] [0025] したがって、好ましくは、分断手段は、ハウジング内に物理的バリア、たとえば隔壁を有している。たとえば、分断手段は、別個の構成部材、たとえばハウジングの左側シェルおよび右側シェルが接している、ハウジングの内部断面に従った輪郭に沿って切断される平面部材であってもよい。ほとんどの場合、分断手段は、厚紙分断部材、プラスチック繊維、もしくはハウジングの壁またはハウジング内の隔壁として作用する他の物理的バリアの如き刺激チャネルを分断することができるいかなる材料から構成されていてもよい。好ましくは、分断手段は、照明可能スクリーンから、好ましくは照明可能スクリーンの背後から、接眼レンズまでの瞳孔刺激を提供する光学機器に渡って延びているバリアの形態を有していてもよい。換言すれば、バリアは、眼を刺激するために用いられる左側および右側の光学機器列の長手方向に沿って延びていることが好ましい。このようなシェルおよび中央分断手段の構成は、両眼瞳孔測定器を製造する視点から考えて有利であり、シェルを一緒になるように接合する前に、この構成部材を容易にかつ高精度に適合させることができる。] [0026] 1つの好ましい実施形態では、分断手段は、ハウジングを越えて延びる、たとえば発泡体製仕切り板形状の、弾性部材を組み込むことにより、患者の鼻までずっと延びるようになしてある。このことは、左側刺激チャネルと右側刺激チャネルと間に優れた、光学的な分断を提供することが見出されている。] [0027] 好ましくは、光学的な分断は、患者の願面の中央領域と接触する接眼レンズおよび弾性部材を取り囲む長円形のシールである弾力性を有したシールを備えることによりさらに向上させることができる。1つの実施形態では、弾性部材は、両眼瞳孔測定器のハウジングから延びて患者の鼻梁と接触する、好ましくは光非透過性でクッション形状を有している。また、発泡体は、黒ずんだ色の発泡体、たとえば灰色または黒色の発泡体であることが好適である。他の実施形態では、この弾性部材は、チャネルを分断するために患者の顔面の形状に合わせて成型された、適合したプラスチック材、ゴム材、または他の同様の材料から構成されていてもよい。他の構成では、適合された材料からなる個々のカップを接眼レンズ上に設け、患者の眼のまわりをシールし、光が逃げ出すのを防ぐようにしてもよい。] [0028] 好ましくは、左眼および右眼それぞれの刺激および観察するための光学機器列が別々に設けられており、その意味において、左側チャネルおよび右側チャネルそれぞれについて重複するミラーシステムが提供されていると言える。WO−A−2006/032920号の構成では、コールドミラーおよび表面ミラーは、それぞれ、左側光学刺激および右側光学刺激を見るために用いられる単一部品であった。これに対して、本発明の実施形態に係る刺激光学機器内のコールドミラーおよび表面ミラーは、分断手段によって二つに分断されていることが好ましい。このように、既知の装置に対してわずかな変更が、これらの両眼瞳孔測定器を用いて行われる測定の確度および精度に対して著しい予想外の向上をもたらすことが見出されている。このことに起因する測定値の分解能および臨床の信頼性の向上は、本発明に係る両眼瞳孔測定器が複数の用途に確実に用いることができる新規の強力な臨床ツールであることを意味している。] [0029] 例えば、従来から、両眼瞳孔測定器を緑内障の検出に用いることが提案されている。緑内障はRAPDの最も可能性の高い原因のうちの1つである。眼圧(眼圧測定法)および視野(視野測定法)を測定するなど様々な構造テストおよび機能テストが緑内障の検出のために既に確立されており、これらは全て長所と短所を有している。しかしながら、これらの確立されたテストに関する共通の問題は、精度が低く、疾病の初期段階の検出に特に精度が悪い。さらに、患者による耐用性が低い傾向があるということである。本発明に係る両眼瞳孔測定器によって今日提供される感度の向上の結果、既存の技術を用いるよりも早期に眼の変化を検出することが可能である。つまり、瞳孔測定器のハウジングが、順応を制御することができ、刺激照明の強度を十分に制御することができ、さらに、従来の交互点滅対光反射試験の場合とは異なり、結果が臨床医による影響を受けないからである。また、減光フィルタを用いる熟練した臨床医は、0.6dBを超えるRAPD値ならば観察することができるであろう。だが、本発明に係る両眼瞳孔測定器を用いることで、0.3dB以上のRAPD値を有する患者を高い感度でかつ高い特異度で検出することができる(すなわち、偽陽性または偽陰性の可能性が小さい)。この分野では、0.3dBまでのRAPDであれば「正常である」と考えられる範囲内であると認識されている。したがって、正常な「患者の値間の変動」は最大0.3dBまでである。用いられている装置およびアルゴリズムが+/−6%の精度で被験者の変化を検出することができることが示されている。したがって、本発明に係る統合両眼瞳孔測定器は、この「健康な」範囲帯の外側にいる患者をふるいにかけるために、また、高いレベルの精度で被験者が自分自信の基線に対して変化した否かを判定するために用いることができる。リンドブロムビー(Lindblom B)、視野計測法最新版、2002/2003出版、2004年、ページ371〜375に記載されているように、相対的求心性瞳孔障害は緑内障における視神経損傷の初期の徴候である。このような異常が検出されると、患者が緑内障を有する可能性が高い。本発明に係る両眼瞳孔測定器の感度および特異度の向上は、本発明に係る両眼瞳孔測定器を、患者をふるいにかける方法としてまたは疾病の重篤度および進展を評価する方法として緑内障の患者を検出するために臨床環境の中で確実に用いることができることを意味する。] [0030] また、RAPDを、上にて議論されるような修正済の瞳孔の反応データに基づいて算出することが好適である。] [0031] 1つの態様によれば、本発明は、原発開放隅角緑内障の可能性を評価するために使用される改善された両眼瞳孔測定器を提供する。別の側面では、本発明は、原発開放隅角緑内障の重症度を評価するために使用される改善された両眼瞳孔測定器を提供する。さらに他の態様によれば、本発明は、原発開放隅角緑内障の進行を測定するために用いられうる改良型の両眼瞳孔測定器を提供している。瞳孔反応および特にRAPDの評価では、好ましくは、刺激手段は、たとえば0.07lux〜7luxの2dBの範囲にわたって3つ(またはそれ以上)の異なる強度で、さらに好ましくは0.07lux、0.7luxおよび7luxの強度で可視光パルスを照射するように構成されており、これらの光パルス中、各眼の瞳孔の収縮は監視される。処理手段は、一連の可視光パルスを照射するようにプログラムされてもよい。好ましくは5を超える数のパルスが、さらに好ましくは7以上の数のパルスが各強度で各眼に照射される。通常、第一のパルスは廃棄される。好ましくは、縮瞳の振幅は、たとえば変化率がしいき値を超えるときを求めることにより各収縮サイクルの開始点と終了点とを見出し、ある与えられた収縮サイクルの開始点における振幅と終了点における振幅との差を測定することによって、一組の保存された瞳孔反応内の各パルスついて計算される。瞳孔直径は、測定された瞳領域に適合された円または長円について算出されてもよい。各眼の縮瞳の振幅(好ましくは、7つ以上の値の平均)を、刺激強度(たとえば、対数目盛上の上述の3つの強度レベル)に対してプロットすることによって反応特性ラインを生成することができる。次いで、RAPDについては、左眼および右眼の瞳孔反応間のシフト量、具体的には先に説明されたような修正瞳孔反応間のシフト量により算出することができる。好ましくは、左眼および右眼の反応特性は直接対光刺激および共感性対光刺激について求められる。好ましくは、RAPDの値は、直接対光刺激および共感性対光刺激について算出される。被験者を「健康」群と「不健康」群とにふるわけするためにRAPDを用いる1つの実施形態では、直接対光刺激または共感性対光刺激について算出されたRAPD値が「健康」範囲の外側にある場合、この被験者を、追加評価の群に、または不健康の群に分類してもよい。直接対光RAPD値および共感性対光RAPD値が「健康な」範囲内のいずれのRAPDも示さない、または少しの量のRAPDしか示さなければ、被験者を「健康」として分類する。] [0032] 直接、各眼を刺激することにより瞳孔しきい値を見出すことができる。瞳孔しきい値は、瞳孔がそれ以下では刺激パルスに対して反応しない刺激強度として定義される。刺激強度が大きくなると、瞳孔が収縮反射で応答し始めるポイントがある。瞳孔しきい値の検出は網膜の反応性を求める上で重要であり、網膜の反応性を求めることは。レーバー(Leber)先天黒内障(LCA)の治療および検出の効果性を判定する上で重要である。この疾病を遺伝子治療で治療することができる。瞳孔収縮曲線の動的パラメータの測定を治療中およびその治療後の視力障害と視力改善の定量化に用いることができる。刺激強度へのフィードバックループに縮瞳データを用いることによって、瞳孔しきい値を決定するまで刺激強度を変更することができる。確度および精度の良い瞳孔しきい値測定値を提供するために、装置は、低レベルの光刺激において良好な感度を有していなければならず、また、得られた結果は臨床的に信頼できるものでなければならない。このことは、被験者の瞳孔しきい値を評価するとき、記載された改良を備えた統合両眼瞳孔測定器を用いることにより達成することができる。] [0033] このように、本発明に係る両眼瞳孔測定器をレーバー先天黒内障、加齢黄斑変性および網膜色素変性のような疾病の治療に用いることができる。というのは、本発明に係る両眼瞳孔測定器は、手術中の変動に影響を受けることがない信頼性のある測定値を生成する装置であり、この装置が、患者の進行を監視するのに用いることができる眼の病気の小さな変化に対しても十分に敏感であるからである。] [0034] たとえばレーバー先天黒内障の治療で一度に1つの眼を治療する際、本発明に係る両眼瞳孔測定器を用いて、瞳孔しきい値および/または基線に対するRAPDの変化の如き瞳孔特性を正確に測定することにより、治療の進展を監視することができる。] [0035] 1つの態様によれば、本発明は、レーバー先天黒内障の治療に用いられる改良型の両眼瞳孔測定器を提供している。他の態様によれば、本発明は、加齢黄斑変性症の治療に用いられる改良型の両眼瞳孔測定器を提供している。さらに他の態様によれば、本発明は、網膜色素変性治療に用いられる改良型の両眼瞳孔測定器を提供している。] [0036] これらまたは他のさまざまな態様に記載の両眼瞳孔測定器は、この明細書に記載の好ましい特徴のうちのいずれかを備えていてもよいし、または全てを備えていてもよい。本発明に係る両眼瞳孔測定器は、他の適用を有しうる。改良された感度および特異度は、たとえば、糖尿病の影響を監視するとき、ビデオゲーム中のプレーヤの瞳孔反応を記録するとき、患者の麻酔の程度を求めるとき、アルコールまたは薬物の有無を判定するために運転手の路上検査をするときに役に立つ。装置は、コンパクトかつ携帯可能であるため、これらの環境下において当該装置を容易に用いることが可能であり、それと同時に、臨床評価または法的評価にあたって信頼できる測定値を提供することができる。関与する人の協力を得て、または協力無しで測定値を採取することができ、採取した測定値をたとえば臨床評価のために基準値と比較することができるため、手術中の患者の麻酔の程度を求めるために、または事故現場で薬物使用を検出するために特に適している。] [0037] ある程度、観察された改善点がチャネルの光学的な分断による改良の結果であると考えることができるので、他の態様によれば、本発明により提供される被験者の瞳孔反応を評価するための統合両眼瞳孔測定器は、各眼に対して可視光パルスを独立して加えるように構成されている刺激手段と、左眼および右眼に関する別個の瞳孔反応データを生成するように構成されている感知手段と、可視固定手段とを有しているハウジングを備えており、左眼と右眼とに加えられる可視光は、光の二次汚染を1%未満まで減らすために物理的手段により分断されている。換言すれば、本発明は、可視光パルスに応答する縮瞳を評価するために用いられ、可視光線(すなわち、一方の眼に向けられた光が他方の眼により受けられる可視光の二次汚染を1%未満に、好ましくは1%よりも相当少ない値に、たとえば0.1%未満または0.01%未満まで減らすためにバリアが組込まれている他の形態の両眼瞳孔測定器も包含していると考えることができる。本発明のさらに著しい違いは、接眼レンズ、感知手段、照明可能スクリーンおよび可視固視点が共通ハウジング内に収容されてことにより容易に携帯可能で、かつデスクトップまたはハンドへルトに搭載することができる瞳孔測定器を形成しているという意味において「統合されて」いる両眼瞳孔測定器を提示しているということである。所望ならば、このハウジングが運搬のためのいくつかの部分に分割されてもよいが、両眼瞳孔測定器が携帯用ケースから直ぐに使用可能となる単一部品であることがさらに好ましい。このことは、カラボーコバ等によって記述された、大型の装置と暗室とを備えている両眼瞳孔測定器とはまったく対照的である。] [0038] 瞳孔反応データを生成し記録するための感知手段は、たとえば赤外線発光ダイオードの如き各眼を赤外線で照射するための手段を含んでいてもよい。このように加えられる赤外線照射、虹彩から分散して戻って来て適切な光学機器列を通り、少なくとも虹彩と瞳との内部境界のイメージを形成する。このようなイメージから瞳孔反応データを生成することを可能とするように用いられうる検出器手段は、たとえばCCDビデオカメラのように2次元の配置された電荷結合素子を備えていることが好都合である。別個の検出器が各眼に対して用いられてもよいし、イメージが共通のセンサの異なる部分へ送信されてもよいし(たとえば、WO−A−94/07406号に記載されているように)これに代えて、イメージが、単一センサの同一部分に送信されてもよい(たとえば、WO−A−2006/032920号に記載のように)。] [0039] 検出される瞳孔反応には、収縮の程度、収縮の速度、待ち時間、および再膨脹時間が含まれている。好ましい実施形態では、瞳孔直径の変化が記録され、イメージデータの処理には、画像処理、瞳領域の自動測定、および瞳孔形状が絶対円形からずれている場合には円あてはめアルゴリズム(circle fitting algorithm)を適用するなどの技術が用いられてもよい。] [0040] 好ましくは、2つの刺激手段の各々のスクリーンは、視角の外側に位置する発光ダイオード(最も好ましくは、白色発光ダイオード)によって照射可能である。眼に直接照射する光刺激とは異なり、このような間接光刺激を用いることは、一貫性および再現性のある結果が得られることを可能にすることにおいて特に有益であると見出されている。他の実施形態では、たとえばアレー状に配列された発光ダイオードのようなアレー状に配列された光源がスクリーンを照射するために設けられている。アレー状に配列された光源は、たとえば赤色光、緑色光、青色光および/または黄色光のような異なる色の可視光を供給するようになっていてもよく、これらの光源は、同様のレベルの光強度でスクリーンを独立して照射するように構成されている。] [0041] 観測可能な視角が少なくとも9度、たとえば10±0.5、好ましくは14以上、例えば、20以上であるように、スクリーンおよび対物レンズを構成することは、刺激光が黄斑および窩を含む網膜の相当な部分に到達することを確実にするという点において非常に有利である。] [0042] 個々の照射可能スクリーンに関連する可視固視点は、本発明の瞳孔計測器のさらなる主要な特徴をなしており、得られる測定値の多用途性および一貫性を著しく向上させる。このような各可視固視点は、それに対応するスクリーンのアパーチャに接する、またはそのアパーチャの後側に位置する、間断なく照射可能な色付き光源(たとえば、発光ダイオード)を有していてもよい。この光は、刺激光と比較して比較的薄暗くてもよい。それぞれの固視点および対物レンズは、当該固視点が無限遠の位置に実質的に現われるように構成されてもよい。しかしながら、個々の患者に合わせて固視点がそれよりも近い位置に現れるようになしてあるシステムが用いられてもよい。可視固定点を光軸状に位置決めし、固定点用の光学機器の中心を通して監視することにより、収差を最小に維持することが可能となる。共通の可視固視点を設けてもよく、この固視点は、シャッタ装置など通して、個々の時刻において1つのチャネルしか見ることができない。] [0043] 瞳孔不同症(Aniscoria)とは、瞳孔のサイズが等しくないため、当然照射も等しくなくなるという一般的な疾病である。確度および精度が向上した結果、瞳孔不同症を考慮にいれることにより患者の評価をさらに向上させることができるようになった。このように、好ましくは、RAPDを算出する方法は、刺激することなく左眼および右眼の瞳孔サイズを測定し、瞳孔不同に起因する網膜照度の減少を求めるステップを有している。好ましくは、照度の減少は、小さな瞳孔直径の2乗を大きな瞳孔直径の2乗で除算した値を求めることにより算出され、さらに好ましくは、この算出結果の負の対数を求める。次いで、はるかに正確に検査するために、患者のRAPDを評価する際、網膜照度の算出された減少を考慮に入れるようにしてもよい。このように、小さな瞳孔を有する眼の見掛けRAPDが存在するとき、好ましくは、疾病に起因するRAPDは、見掛けRAPDから瞳孔不同によって引き起こされるRAPDを減算して算出される。同様に、大きな瞳孔を有する眼の見掛けRAPDが存在するとき、好ましくは、疾病に起因するRAPDは、見掛けRAPDに瞳孔不同により引き起こされるRAPDを加算して算出される。瞳孔不同は、各光レベルについての各瞳孔不同の修正した平均値をとることによる単一の値として定量化してもよいし、またはこれに代えて、各光レベルについての瞳孔不同の修正した別個の値を算出して、デュアルラインRAPD(dual line RAPD)の計算に用いてもよい。] [0044] ここでは、例示を目的とし、本発明の好ましい実施形態を添付の図面を参照して記載する。] 図面の簡単な説明 [0045] 縮瞳振幅対信号強度の対数値を示すグラフである。 正常な眼に関する縮瞳振幅対刺激強度を示すグラフである。 病気の眼および正常な眼に関する縮瞳振幅対強度を示すグラフである。 縮瞳振幅対強度の反応が必ずしも平行とならないことを示すグラフである。 本発明に係る好ましい両眼瞳孔測定器の光学機器列を示す概略側面図である。 左側刺激チャネルおよび右側刺激チャネルについてバリアの位置を示す、好ましい両眼瞳孔測定器の1つのチャネルに関する好ましい光学機器列を示す側面図である。 瞳孔測定器ハウジングの一例を示す図である。 適切なバリアを示す側面図である。 左側チャネルと右側チャネルとの間を延びるバリアならびに患者の鼻まで延びる発泡体製シールを示す左眼用の光学機器列を示す概略平面図である。 一方の眼に対する瞳孔反応領域記録を示すグラフである。 他方の眼に対する瞳孔反応領域記録を示すグラフである。 左眼および右眼の瞳孔反応領域記録の差Dを示すグラフである。 左眼見掛け瞳孔反応と右眼見掛け瞳孔反応との平均に等しい新規の傾斜を有する平行四辺形としてプロットされた、左眼見掛け瞳孔反応と右眼見掛け瞳孔反応との差に等しい領域を示すグラフである。 修正瞳孔反応である平行四辺形を示しているとともに、強度範囲全体にわたる平均値に基づいて、誤った結果を導く従来のRAPD値と新規のRAPD値との相対的位置を示す縮瞳振幅対強度を示すグラフである。 修正された新規の瞳孔反応と比較して、左眼見掛け瞳孔反応および右眼見掛け瞳孔反応を示すとともに、RAPDの計算結果を示すグラフである。 RAPD絶対値が算出されて、1−特異度対感度を示す受信者動作特性曲線を示す図である。 正規化されたRAPD値が算出され、1−特異度対感度を示す受信者動作特性曲線を示す図である。 カラボーコバ(Kalaboukhova)等により教示された手法を用いて算出された、1−特異度対RAPD値感度を示す受信者動作特性曲線を示す図である。 正常な患者を緑内障患者と区別するための受信者動作特性(ROC)曲線分析を示す図である。 RAPDDIRおよびRAPDCONSのためのROC曲線分析を示す図である。 RAPDDIRおよびRAPDCONSのためのROC曲線分析を示す図である。] 実施例 [0046] (暗順応) RAPDを測定する際、暗順応の長さが重要である。というのは、網膜は、とくに暗闇になった直後での最初の30秒間、時間とともに敏感になるからである。良好に適応する網膜は、非常に敏感であり、最大の収縮をもたらすのにほとんど刺激を必要としないため、非常に小さな刺激強度でも瞳孔反応曲線の飽和部分が生じる。したがって、暗順応の開始後、基準時間でRAPDを測定することが重要である。つまり、30秒の暗順応がなされてから、瞳孔が刺激されることが好適である。] [0047] (刺激強度) RAPDの検出および測定においては刺激強度が重要となる。というのは、瞳孔反応の振幅は、虹彩が動くことができる機械的調整範囲によって制限されているからである。正常で健康な患者では、最大瞳孔サイズは8〜10mmであり、最小瞳孔直径は約2mmである。最大瞳孔直径は、20歳のときから十年間当たりほぼ1mmの割合で年齢とともに縮小する。したがって、瞳孔の機械的動作範囲は年齢とともに縮小することとなる。] [0048] 瞳孔が反射的に収縮反応するある範囲の光強度がある。非常に低い強度では、瞳孔は収縮しない。このことは瞳孔しきい値として知られている。刺激強度が瞳孔しきい値を上回ると、収縮振幅は、ほぼ強度変化の対数に従って増大する。図1は、縮瞳振幅対信号強度の対数を示すグラフであり、瞳孔しきい値が点Pの符号が付けられている。このことは、収縮の最大振幅に到達するまで続き、この点を超えると、刺激強度を増大させても、縮瞳になんら変化をもたらさなくなる。この状態を「飽和」と呼ぶ。] 図1 [0049] また、図1には、この飽和領域の刺激強度を用いてRAPDを測定しようと試みた結果が示されている。図示されている実施形態では、刺激が非常に強く、網膜出力、すなわち網膜から観察されている刺激信号の強度に大きな差Xがあるにもかかわらず、左眼反応と右眼反応との間の瞳孔反応に小さな差しかない(ALおよびARは左眼と右眼の反応の振幅を表わしている)。他方では、刺激が弱すぎる場合、すなわち瞳孔反応曲線の開始点の平坦な部分に対する測定では、瞳孔反応サイズは、小さく、雑音が多いものとなる。したがって、強すぎる、または弱すぎる強度を用いると、RAPDの判断が困難となりうる。] 図1 [0050] 理想的には、良好な縮瞳振幅反応を生成するために、刺激強度を、図1に示されている曲線の飽和部分、およびしきい値部分から離れたより線形な領域Xの位置で決めるべきである。このことにより、網膜の出力における所定の差に対して、縮瞳振幅の変化をはるかに高い確度と感度で測定することが可能となる。] 図1 [0051] 網膜はすべての人においてわずかに異なっており、わずかに異なった応答が生じるため、すべての人に対してうまくいく特定の強度はない。網膜を最大限、正確な強度で刺激するようにするため、100倍(すなわち、2デシベル)の範囲をカバーする3つの刺激強度で各眼を刺激することが好ましい。この範囲は0.07luxと7luxとの間にあることが経験的に見出されている。用いられる刺激強度は次のとおりである: 強い刺激:7.0 lux(2dB) 中間の刺激:0.7 lux(1dB) 弱い刺激:0.07 lux(約0dB)。] [0052] (RAPDの算出) RAPDの算出の際に、いくつかの異なる強度を用いることがWO2006/032920に開示されている。健康な患者の場合、図2に示されているように、所定の刺激強度では、左側の反応振幅と右側の反応振幅との間に有意な差はない。病気の眼を有した患者の場合には、刺激に対して一方の眼が他方の眼に比べてより小さな縮瞳縮振幅反応を有し(図3を参照)、2つのおおむね線形となる反応で分離されることとなる。WO2006/032920号では、2つのプロフィール(分析結果)を一致させるために必要となる、強度軸線に沿ったシフト量を決めることにより、どのようにしてRAPDを見つけることができるかについての方法を示している。図3では、X軸は強度を対数で目盛っており、強度をデシベル単位でプロットしている。図示されている患者の例では、反応は、左眼と右眼とに対してそれぞれ1.8mmおよび1.5mmの縮瞳振幅でY軸(すなわち、ゼロデシベル)と交差しているのが分かる。左眼は同一振幅(1.5mm)の応答を誘発するには、右眼に較べて0.7dB弱い光とならなければならない。この実施形態における右眼は、0.7dBのRAPDを有している。] 図2 図3 [0053] しかしながら、本発明者は、振幅反応ラインが必ずしも平行になるとは限らない、すなわち、各眼について刺激強度に伴う瞳孔反応の変化率は異なることに気づいた。このことは図4で示しており、この変化率の相違は誤った結果を導く恐れがある。ここでは、縮瞳振幅反応ラインが左眼と右眼とに関してそれぞれ1.8mmおよび1.6mmでY軸と(すなわち、ゼロデシベルで)交差している。この点における反応特性のシフト量を算出すると、右眼と同一の反応特性を与えるには、左眼が0.1dB弱い光を必要とすることが分かる。このため、右眼は0.1dBのRAPDを有しているものと考えることができる。しかしながら、この考えが誤った結果を招くこととなる。] 図4 [0054] この問題を解決するために、両眼瞳孔測定器では、患者のRAPDをはるかに正確に表すことができるものとして見出されている「面積正規化RAPD(Area Normalised RAPD)」を算出する新規アルゴリズムを組み込むようになしてある。面積正規化RAPDを下記にさらに詳細に記載する。] [0055] (両眼瞳孔測定器装置) 図5は、本発明の実施形態に係る瞳孔測定器の概略側面図であって、赤外線感知輻射と可視光線刺激とを垂直方向に分離して示している右眼R用の光学機器列を示す。本実施形態では、赤外線発光ダイオードIREDからの赤外線光を感知すると、右眼Rの虹彩から散乱し、コールドミラーCM1を透過し、第1面ミラーM1、M2により反射され、レンズL2によりCCD撮像装置に焦点が合わせられる。] 図5 [0056] スクリーンSは、患者の視野の外側となるように位置決めされている発光ダイオードLED1によって光が当てられている。スクリーンSからの刺激光パルスは、対物レンズL1を透過し、第一可視面ミラーVM1、およびコールドミラーCM1により右眼に向けて反射される。スクリーンSの小さなアパーチャの後側に位置する緑色発光ダイオードLED2は、対物レンズL1の焦点に位置する可視固視点を提供する。] [0057] 同様の光学機器列(図示せず)が左眼に対しても提供される。反対側の眼に対する刺激光の二次汚染を避けるために、二つの光学機器列が適切な分断手段により光学的に分断されていることが重要である。たとえば、光の二次汚染は、1%未満であることが好適である。さらには、ほぼ1%未満であり、たとえば0.01%未満レベルの二次汚染の端数を切り上げた0.1%未満であることが好ましい。] [0058] 本発明に係る瞳孔測定器の動作時、同一の持続時間(期間)に同一の強度、および同一の間隔にて、一連の可視光線パルスの刺激を左眼と右眼とに交互に与え、これらの刺激により引き起こされる、たとえば瞳孔直径の大きさの変化などを測定する。瞳孔反応は、比較的高い強度のパルスを選択して最大化することによって再現性を最適化することが可能である。] [0059] パルス持続時間(期間)は、0.2〜0.5秒の範囲内であり、間隔時間は、1〜8秒、たとえば1.2〜5秒の範囲内にあることが好ましい。左眼と右眼の交互の刺激は対称的に行われることが好ましい。] [0060] 各眼に対する連続した一連の4〜8の数のパルス、たとえば3秒間おきに与えられる0.4秒または0.5秒のパルスからなる、対をなす4つのパルス(すなわち、0.4秒または0.5秒間左眼刺激、3秒休止、0.4秒または0.5秒間右眼刺激、3秒間休止)、2秒間おきに与えられる0.2秒のパルスからなる、対をなす7つのパルス、または1.6秒間おきに与えられる0.4秒のパルスからなる、対をなす7つのパルスに対する結果を記録することにより確度の向上を図ることができる。全期間がたかだか約30秒である手法において、この最後の連続するパルスが、最適な確度の瞳孔反応測定を行うにあたってとくに有効であることが見出されている。] [0061] すなわち、このような連続する一連のパルスでは、一対の第一の測定データを廃棄することが好ましい。というのは、これらの測定値は最も正確とはならない傾向がある。なぜならば、網膜の照明に対する適応の状態は各眼に対する第一のパルスの後で著しく変化するからである。] [0062] 刺激により引き起こされた、平均の瞳孔直径変化のプロットなど瞳孔反応の出力記録を得るために、この一連のパルスの残りの対からのデータを平均する。いうまでもなく、これらは、直接対光反射(たとえば、左眼の刺激に対する左側の瞳孔応答)および共感性対光反射(たとえば、左眼の刺激に対する右側の瞳孔応答)に分けて行っていてもよい。ただし、正確さを向上させるために、直接対光反射に関するデータのみを用いることが好ましい。また、左右の瞳孔反応値のそれぞれの平均を求めることにより、CCD撮像装置のような検知構成部品において生じる少なくともピクセルに依存したノイズを取り除くことができることはいうまでもない。] [0063] 所望ならば、まばたきにより引き起こされる不自然なデータを結果から取り除くようにしてもよい。] [0064] たとえば、まばたきの持続時間(期間)が3フレーム未満(すなわち、画面の書き換えフレームレートが25Hzで3×0.04秒未満)である場合、どちら側のまばたきからでも「良好な」データを補間することが可能である。これは、手動で行われてもよいし、または適切にプログラムされた電子処理により行なわれてもよい。] [0065] 右眼および左眼の瞳孔直径の変化の振幅ARおよびALを、初期状態の(すなわち、刺激前の)瞳孔直径(Di)Rおよび(Di)Lでそれらを除算することにより正規化してもよい。2つの正規化された結果の振幅が異なっており、どちらかが他方よりも小さい位置にある場合、球心性瞳孔障害が存在すると判断する。以下の式、 APD(または「RAPD」) =100(1−小さい方の正規化された振幅)/大きい方の正規化された振幅 % によってこれを判断することが可能である。] [0066] また、結果の最適化にあたっては、2つ以上のAPD値を得るように少なくとも2つの組の測定、および計算を行うようにしてもよい。たとえば、3つのAPDを生成し、最も近い2つの値をとって、3つ眼の値を捨てるようにすることが、現在、好適であるとされている。最終的なAPDはこれらの2つの平均値となり、これらの標準偏差が再現性の尺度となる。] [0067] 刺激に対する瞳孔の反応を対数で表すことができ、APDをdBで表すことができる。物質的な瞳孔測定器を用いないで、上述のように、APDを臨床的に評価する標準的な方法としては、スウィンギングフラシュライト(交互点滅対光反射)手法があり、小さなペン型のトーチを眼から眼へと移動させ瞳孔反応を臨床医が比べる。2つの眼に顕著な差があれば、臨床医は、異なる強さの減光フィルタを用いてより強く反応する眼(参照眼)に対する光を減衰させることにより、この差をなくすようにする。これらのフィルタは0.1dB増分ごとに利用可能となっている。] [0068] 本実施形態に係る瞳孔測定器は、左眼用に1つと右眼用に1つの各刺激の前方にスロットを持っており、このスロットにより、減光フィルタが刺激と当該刺激が向けられている眼との間に位置することを可能とすることができるようになっている。RAPDを連続的に監視することができ、また、平均APDがゼロになるまで強さの異なるフィルタを配設することができる。最後のフィルタが、罹患眼のAPD障害のdB単位での尺度である。] [0069] dB単位でのRAPD測定を自動化するために、刺激LEDを動作させるソフトウェアが刺激強度を変更するために0から2048までの間のデジタル値を用いているという事実を利用することができる。つまり、デジタル値の較正は、各デジタル値によって生成されたる輝度と、異なる減光フィルタがその前に置かれた時にこれらのフィルタによってもたらされる相当する減衰とを測定することにより行うことができる。また、(すべての刺激LEDが、その生産に必要な製造工程に起因する異なる特性を有しているため、)各デバイスに対して簡単な参照表を作成してもよい。ソフトウェアが、ニュートラルデンシティ強度変化による現在の臨床診療法を模倣するようにプログラムされており、与えられた様々な強度に応じたAPD測定値の平均値を求めている間に、両方の眼の間の瞳孔反応におけるバランスがとれるまで、参照眼における強度を反復して修正してもよい。デシベル単位でRAPD値の出力することにより、臨床医は反応データについてよりよい理解を持つことができるようになる。なぜならば、臨床医が従来のスウィンギングフラシュライト試験(交互点滅対光反射試験)からのこれらの値および減光フィルタの値を既に理解しているからである。] [0070] 図6aは、好ましい両眼瞳孔測定器を示す概略側面図であり、図5の実施形態のものと較べて多く点において類似しているが、刺激チャネル間の分断手段の範囲も示している。したがって、図6aに示す瞳孔測定器では、眼に光刺激を与える光学機器列が、左側と右側とに分断されており、重なりあったものとして示されている。白スクリーンWS(L)は、図5と同様、発光ダイオードLED1(L)によって照らされている。スクリーンWS(L)からの刺激光パルスは、対物レンズL1(L)を透過し、可視平面ミラーFSM(L)およびコールドミラーCM(L)によって左眼の方に向けて反射される。スクリーンWS(L)の小さなアパーチャの後側に位置する緑色発光ダイオードLED2(L)は、対物レンズL1(L)の焦点に位置する可視可能な固視点を提供している。これらの部品は右眼に対しても同様なものとなっている。また、破線は、左側チャネルと右側チャネルと間の物理的バリア12の位置を示している。] 図5 図6a [0071] 左眼用の感知光学機器を、図6aに示しており、この感知光学機器は、コールドミラーCM(L)を経由して左眼からの感知赤外線を散乱させるように構成されているダイオードIRED(L)を備える。図示されていないものの、第一の面ミラーIRM1、IRM2およびレンズL2が、さらに設けられており、図5の対応する部品と同じ様に動作する。好ましくは、各眼に対して、1つの赤外線発光ダイオードIRED1、1つのコールドミラーCM1、1つの第一の面ミラーIRM1、1つの第一の面ミラーIRM2および1つのレンズL2からなる組が設けられている。このような構成の第一の面ミラーIRM1およびIRM2は、レンズL2の軸線を中心として僅かに傾斜しうるペリスコープを形成することができる。同様であるが反対方向への運動を生み出すために、歯車を用いて、左側ペリスコープの傾斜運動を右側ペリスコープに伝達させる。このようにして、第一の面ミラーIRM1の分離を縮小させたり、増大させたりして、短いまたは長い瞳孔間距離に対応させることができる。しかしながら、左右の刺激チャネル間における物理的なバリアに加えて、以下のような他の赤外線瞳孔測定用の光学機器とすることも可能である。すなわち、例えば、2つの赤外線検出器が用いられていてもよく、または、赤外光が同一の検出器の異なる領域に導かれていてもよい。] 図5 図6a [0072] 両眼瞳孔測定器のハウジング1(図6bを参照)は、2つのシェル2を備えており、これらは、プラスチックから成型され、瞳孔測定器の左側および右側を形成し、中間点(たとえば、使用する状態で机に載置された際の、瞳孔測定器の鉛直面の中間)で合わせられるようになっている。瞳孔測定器の特定領域を利用可能とするためにさらなるパネルが設けられてもよい。これらのシェルには、内部構成部品を適切な位置に保持するための内部構造(図示せず)を備えている。また、これらのシェルは、左側面と右側面との間に延設されている内部パーティション3を有しており、内部パーティションは、刺激用の光学機器5用の第一のポケット4および感知光学機器7用の第二のポケット6を形成している。また、内部パーティション3は、各チャネルのためのコールドミラーCM(L)をさらに保持することができる。コールドミラーCM(L)により、赤外光が第二のポケット6および感知光学機器7まで達することができる。また、刺激用の光学機器5により生成される光パルスを見るために、患者用に接眼レンズ8が設けられていてもよい。また、プロセッサまたは電源8など、さらなる構成部品を収容するためにパーティション3’の如き他のパーティションが設けられてもよい。] 図6b [0073] 図6cには、刺激チャネルを分断するバリア12(分断手段)の側面図が示されている。好ましくは、バリア12は、第一のポケット4の内部輪郭に正確に沿って切り取られ、かつ、組み立て後の瞳孔測定器のハウジング1の2つのシェル2の間にぴったりと嵌るプラスチック製またはカードの如き1枚の黒いシート材であることが好ましい。] 図6c [0074] 好ましい両眼瞳孔測定器の上方から見た概略図である図7に示されているように、顔用発泡体10、鼻用発泡体11、およびチャネル分断バリア12が、左側刺激チャネルと右側刺激チャネルと間で完全に遮光できるようにするために設けられている。顔用発泡体および鼻用発泡体は灰色/黒色の発泡体で作られている。鼻用発泡体は、光が鼻梁を横切って漏れ出ないように丁度患者の鼻梁のところまで設けられている。前の図と同様に、WSは、発光ダイオードLED1により照らされる白スクリーンを示している。白スクリーンWSの後側の光軸上には、固定発光ダイオードLED2が設けられている。Lは固定レンズを表し、FSMは面ミラーを表し、CMはコールドミラーを表している。左側(L)チャネルのみを示しているが、実際は、すべての光学機器が右側(R)チャネル用に重複して設けられている。] 図7 [0075] 明らかなように、各眼用の両眼光学機器は、左右のチャネルが完全に分断されているため有利である。] [0076] 本実施形態に係る瞳孔測定器の動作時、3つ以上の、100倍(2dB)の範囲に含まれる強度で一連の刺激光パルスを加えることが好ましい。これは、0.07luxと7luxとの間にあることが経験的に見出されている。したがって、最も強い刺激は7.0luxであり、中間の刺激は0.7luxであり、最も弱い刺激は0.07luxである。刺激パルスは、各眼に対して別々にかつ交互に加えられる。これらの刺激の結果として生じる振幅、すなわち瞳孔直径が測定される。] [0077] (面積正規化RAPDの算出) ここで、本発明の実施形態に係るRAPDを見出す方法について図8〜図13の実施形態を参照して説明する。この方法は、「面積正規化」方法として記述される。] 図10 図11 図12 図13 図8 図9 [0078] まず、図4に示されているように、収瞳振幅反応が強度に対してプロットされている。図では、上側の反応が患者の左眼について記録されたものであり、下側の反応が患者の右眼について記録されたものである。右側(右眼側)瞳孔反応下の面積は、2dBの限界値(最も強い刺激7.0lux)と0デシベルの限界値との間の範囲の強度に対する振幅を積分することで求めることができる。この面積は、右眼の「反応エネルギー」に実質的に比例している。図8を参照されたい。この場合の面積は、3dBmmとなる。左側(左眼側)の瞳孔反応下の面積も同じように算出することができる。本実施形態では、この面積は、5dBmmとなる(図9)。これらの面積間の差Dは2dBmmである(図10に図式的に例示されている)。左側の傾斜と右側の傾斜との平均を求め、これらの傾斜と、左側傾斜下の面積と右側傾斜下の面積との間の差Dに対応する面積(ここでは2dBmm)となる平行四辺形へと展開される。事実上、2つの元のラインはそれらの面積(反応の差)を固定したままで平行になるように調節される。(図11を参照)。次いで、RAPDについては、2つのプロフィールを一致させるために必要となる強度軸に沿ったシフト量を求めることにより見出すことができる。これは実質的には強度範囲全体における「平均RAPD」である。図12は、左眼見掛け瞳孔反応と右眼見掛け瞳孔反応とから算出された、元のRAPD(RAPDorig)と、上述の面積正規化RAPD計算を用いて強度範囲全体にわたって求められた新規の「平均RAPD」(RAPDarea−norm)との間の差を示す概略図である。図15を参照してこれを数学的に検討すると、左眼の元の反応は以下の式で表示することができる: YL=ml*X+CL 右眼の元の反応は以下の式で表すことができる: YR=mr*X+CR P/tanΨと等しいRAPDを見出すことが必要 これについては、既知の三角法の関係を用いて求めることができる。] 図10 図11 図12 図15 図4 図8 図9 [0079] 平行四辺形の面積は、長辺の長さHにこれらの長辺の間の垂直距離Dを掛けたものに等しい。したがって、 面積=D x H、H=((ml+mr)2+(−2)2)0.5 となる。] [0080] 面積については、左眼瞳孔反応特性と右眼瞳孔反応特性とを求め、これらの反応特性下の面積を積分により求め、減算により面積Aを求めることで得られる。したがって、長辺間の垂直距離は以下の式により求められる。] [0081] D=A/H =A/((ml+mr)2+(−2)2)0.5 2つの長辺間の垂直距離であるPは次の式から求めることができる: P=D/cosΨ、この式で、Ψ=(ml+mr)/2=平均傾斜/2 RAPD=P/TanΨ ={D/cos(ml+mr)/2)}/tan((ml+mr)/2) 本発明者は、RAPDを求める従来の方法と、この「面積正規化」方法とを比較して評価した。サンプルサイズとして50人の患者を用いた。図14には、絶対RAPD(absolute RAPD)をWO2006/032920号に記載の方法により算出した、患者についての1−特異度対感度(1−Specificity Versus Sensitivity)曲線を示す受信者動作特性曲線(ROC曲線)を示している。これらの曲線は、以下の3つの条件下での患者の絶対RAPDの変化を示している:(a)強刺激(高薄明視−MesHi_ratio_amp); (b)中間光(暗所視と明所視との組み合わせがある低薄明視−MesLo_ratio_amp); (c)弱光(視覚がもっぱら錐体細胞ではなく桿体細胞によってもたらされる暗所視−Sco_ratio_amp)。絶対RAPD値は次の式を用いて算出される: 絶対RAPD=(1−(より小さな振幅/より大きな振幅))×100 % 図から明らかなように、絶対RAPDは、曲線が線図の左上隅の近傍、かつ「Reference Line(基準線)」から離れた位置にあり、妥当なレベルの感度および特異度を有している。ROC曲線下の面積が大きければ大きいほど、テストの感度および特異度がよくなる。すなわち、面積が1.0に近ければ近いほどよいということである。] 図14 [0082] しかしながら、図14も示されているように、上述の新規の面積正規化手法を用いて算出したRAPD値に関するROC曲線は、「Dual Line Direct(直接対光デュアルライン)」および「Dual Line Consensual(共感性対光デュアルライン)」という符号が付けられている。「Dual Line Direct(直接対光デュアルライン)」手法は、刺激されている眼の縮瞳のような直接対光刺激下での瞳孔振幅反応に適用される、面積正規化方法(Area Normalized Method)であり、「Dual Line Consensual(共感性対光デュアルライン)」手法は、観察している眼とは反対側の眼を刺激している時に、ある共感性対光刺激下で得られる瞳孔反応に適用される、面積正規化方法である。これらの値、特に「Dual Line Direct(直接対光デュアルライン)」による値についてのROC曲線は、図の左上隅の方に接近するよう押し付けられている。このことは、本発明に係る新規の面積正規化手法を用いることで、感度および特異度の向上を達成することができることを示す。表1には、図14に示されているさまざまな曲線下で算出された面積を示している。明らかなように、「Dual Line Direct(直接対光デュアルライン)」および「Dual Line Consensual(共感性対光デュアルライン)」曲線は、1に近い面積を有しているので、より高い感度および特異度を示す。] 図14 [0083] 図15には、ROC曲線上で(a)強刺激(Mes_Hi_Norm_amp)、(b)中間光(Mes_Lo_Norm_Amp)および(c)弱光刺激(Sco_Norm_amp)に関して、正規化されたRAPD値の算出結果を示す。正規化されたRAPDは以下の式を用いて算出される: 正規化RAPD =(1−より小さな振幅/より小さな初期の直径)/(より大きな振幅/より大きな初期の直径)×100 % 図15は、比較(「Dual Line Direct(直接対光デュアルライン)」と「Dual Line Consensual(共感性対光デュアルライン)」との比較)として、新規の面積正規化手法に関するROC曲線が示されている。明らかなように、この新規の面積正規化手法は、とくに直接対光刺激を観察する場合、正規化されたRAPD値に対して向上した感度および特異度を与える。] 図15 [0084] 表2では、図15のさまざまな曲線下の面積が算出され、例示されている。比較のため、図16には、カラボーコバ等(Kalaboukhova、et al)で記述された方法によって算出されたRAPD値に関するROC曲線を示す。ここで、 RAPD=(より大きな振幅/より小さな振幅)−1)×100 % である。] 図15 図16 [0085] これらのROC曲線は、(a)強刺激(Mes_Hi_Kalaboukhova)、(b)中間光(Mes_Lo_Kalaboukhova)および(c)弱光刺激(Sco_Norm_Kalaboukhova)について示す。加えて、図16は、比較(「Dual Line Direct(直接対光デュアルライン)」と「Dual Line Consensual(共感性対光デュアルライン)」の比較)として、新規の面積正規化手法に関するROC曲線が示されている。先の場合と同様に、新規の面積正規化手法は、他のレシオメトリック手法と異なって、全ての、3つの光レベルがRAPDの結果に寄与しており、向上した感度および特異度を呈するRAPD値を生成するとともに、はるかに有用な診断のツールを提供する。] 図16 [0086] 表3には、図16に示されているさまざまな曲線下で算出された面積が示されている。] 図16 [0087] (瞳孔しきい値の算出) 瞳孔しきい値は、刺激パルスが最初に縮瞳を誘発し始めるときの強度を求めることによって算出される。難しい点は、低レベルの光刺激が瞳孔反応を引き起こしたときを決定する点、または、収縮が「瞳孔変動」なのか否かを判断する点である。「瞳孔変動」とは、脳の高次中枢における中脳の瞳孔運動の運動ニューロンの影響により引き起こされると思われる、瞳孔サイズのランダムな小さな変化のことである。] [0088] 各眼に対して刺激パルスが加えられる前に瞳孔を10秒間にわたって観察し、そして、単眼毎にゼロの刺激強度から開始する。この10秒間にわたる刺激前データの平均値と95%の信頼区間が算出される。10秒+150ミリ秒と700ミリ秒との間の待ち時間の後、95%の信頼区間未満となる瞳孔測定値が、連続して3よりも多く観察された場合、この減少方向側への信頼区間の第一の欠陥(breach)を、瞳孔収縮の開始として記録する。万一このような収縮が見つからなければ、光の強度を0.01dBずつ増加して、このサイクルを収縮が検出されるまで繰り返す。] [0089] ] [0090] ] [0091] ] [0092] (瞳孔不同の矯正) 瞳孔不同、すなわち不等瞳孔サイズはよく見られる状態である。その存在は、ホルネル症候群の如き生命を脅かす病気の徴候である場合もあれば、または、完全に良性である場合もある。しかしながら、その存在は、瞳孔不同の結果として、網膜照度に差異があることを意味する場合もある。この差異は、より小さな瞳孔直径の2乗を、より大きな瞳孔直径の2乗で除算したものに比例する。デシベル単位でプロットした場合、照度の減少(reduction)は、より小さな瞳孔直径の2乗を、より大きな瞳孔直径の2乗で除算した結果の負の対数に等しくなる。換言すれば以下の式であり: 減少=−log(d2/D2) この式で、dおよびDそれぞれは、小さな瞳孔の直径および大きな瞳孔の直径に対応する。] [0093] したがって、右側瞳孔サイズが小さい患者において、右側に見掛けRAPDが存在する場合、このうちの一部は瞳孔不同および照度の減少に起因するものであると考えられる。したがって、疾病に起因するRAPDは、右眼の見掛けRAPDから瞳孔不同により引き起こされたRAPDを減算したものに等しい。同様に、左眼に見掛けRAPDがある場合、疾病に起因したRAPDは、左眼の見掛けRAPDに瞳孔不同によって引き起こされたRAPDを加算したものに等しい。RAPD測定値において瞳孔不同を考慮することにより、患者の臨床的評価を著しく向上させることができる。] [0094] dB単位で表された瞳孔不同の修正は、3つの光レベルの各々に対する各瞳孔不同の修正の平均をとることにより単一の量として扱ってもよいし、各光レベルについて別々に取り扱ってもよい。たとえば、右側の瞳孔が左側の瞳孔よりも小さい場合、以下のように、たとえば右眼は左眼よりも小さい照度を受ける: −暗所視レベル(0.07 1ux)、右眼が左眼よりも0.012dB少なく受ける; −低薄明(0.7 1ux)、右眼が左眼よりも0.011dB少なく受ける; −高薄明(7.0 1ux)、右眼が左眼よりも0.010dB少なく受ける。] [0095] 右眼が左眼よりも平均して0.011dB少なく受けるといってもよいし、または、右眼のデュアルラインRAPD演算に以下の光レベルを代入してもよい。] [0096] −0dB(高薄明)が0dB+0.01dB=0.01dBとなる。] [0097] −1dB(低薄明)は−1dB+0.011dB=−0.989dBとなる。] [0098] −2dB(暗所視)が−2dB+0.012dB=−1.988dBとなる。] [0099] (感度および特異度の最適化) 瞳孔測定器の両眼視機能により、2つの測定、すなわち直接対光RAPDと共感性対光RAPDとの測定を実現することができる。これらの測定の各々では、各測定自体の測定値からなる組を有しており、別々に処理されるようになっている。] [0100] これらの2つのテストを組み合わせることにより、個別のテストを行うよりも本質的により精度が高い最終テストに至ることができる。直接対光RAPDおよび共感性対光RAPDが両方共に陰性である場合、正常な被験者に真陰性の結果が与えられる。直接対光RAPDまたは共感性対光RAPDが陽性の場合、患者には真陽性の結果が与えられる。] [0101] 先に記載のROC曲線は、正常0dB反応と正常0.3dB反応とを比較することにより得られたものである(疾病を示す、一般的に認められている中性密度遮蔽量(amount of neutral density occlusion))。患者の評価時においてさらに改善するために、0dB減光フィルタでの正常者からの結果(基準値「正常」反応)を患者の反応と比較する(患者には減光フィルタを用いなかった。というのは、すべての患者がもともと遮蔽された状態であるからである)。] [0102] RAPDDIRとRAPDCONSに対して最適化されているものの同一のカットオフ(遮断)(0.12dB)を用いた場合、90%感度(95%CI=75.7%〜98.1%)、および82%特異度(95%CI=68.6%〜91.4%)が実現された。図17では、正常な被験者を緑内障患者から区別するための受信者動作特性(ROC)曲線分析を示す。曲線下面積は0.91であった。] 図17 [0103] しかしながら、直接対光データおよび共感性対光データに対するカットオフ値の範囲を調べるテストを別々に最適化することもできる。直接対光カットオフ(0〜2dBの範囲)に対する共感性対光カットオフ(0〜2dBの範囲)を表にした2次元参照表を作成した。表4には、50の正常被験者のデータを用いて、カットオフの変化に対する真陰性の割合の変化(特異度)が報告されている。表5には、33人の緑内障患者のデータを用いて、カットオフの変化に対する真陽性の割合の変化(感度)が報告されている。表4および表5の強調領域には、正常被験者およびに緑内障患者に用いることができるカットオフの範囲が示されている。] [0104] ] [0105] ] [0106] 直接対光および共感性対光のさまざまなカットオフに基づいて、(感度および特異度をともに最大化する)最適なカットオフは直接対光に対して0.08または0.09であり、共感性対光に対して0.11、0.12または0、13dBであり、全てを組み合わせたものは、感度が93.9%(95%CI:79.8%〜99.3%)であり特異度が82%(95%CI:68.6%〜91.4%)である。RAPDDIRとRAPDCONSは、それら自体のカットオフを有しているため、実質的にこのテストは最適化された。] [0107] RAPDDIRに対して0.09dBのカットオフ値を選択し、RAPDCONSに対して0.12dBのカットオフ値を選択する。そして、図20(a)および図20(b)には、RAPDDIRおよびRAPDCONSに対するROC曲線分析について例示する。RAPDDIRおよびRAPDCONSの曲線下の面積は、それぞれ対応して0.868と0.847であった。これらのカットオフ値を用いると、33人の緑内障患者のうちの31人の患者にRAPDについて陰性のテスト結果が出た。また、50の正常な被験者のうちの41の被験者にRAPDについて陽性のテスト結果が出た。] [0108] 以上のように、本発明では、以下の構成を備える被験者の相対的求心性瞳孔障害を評価するための統合型両眼用瞳孔測定器を示した。すなわち、この統合型両眼用瞳孔測定器は、被験者の眼に対応して位置決めされた接眼レンズと、左眼および右眼に関する個別の瞳孔反応データを生成および記録するように構成されている感知手段と、これらと一緒に収容され、交互に左眼および右眼に対して独立して刺激用可視光パルスを加えるように構成されている左眼刺激手段および右眼刺激手段とを備えている統合両眼用瞳孔測定器において、左眼刺激手段および右眼刺激手段が分断手段により光学的に分断されており、左眼刺激手段および右眼刺激手段の各々が照射可能なスクリーンを有しており、この照射可能スクリーンが、可視可能な固視点を有しているとともに、当該スクリーンと接眼レンズとの間に位置する対物レンズを通じて視認可能となっており、スクリーンおよびレンズは、観察可能な視角が少なくとも9度となるように設定されている。明らかなように、少なくとも好ましい実施形態では、両眼用瞳孔測定器は、下記記載の特徴のうちのいずれかを備えることができる。すなわち、 (i)感知手段は、各眼に赤外線を照射して瞳孔イメージを生成するための手段と、このように生成されたイメージからの瞳孔反応データを生成することを可能とする検出手段とを含む; (ii)各刺激手段のスクリーンは、視界の外側に位置する発光ダイオードにより照射可能となる; (iii)各発光ダイオードは白色光を生成する; (iv)各刺激手段は、同一の持続時間、同一の強度、および同一の間隔にて、一連の可視光パルスを加えるように構成されている; (v)左側刺激手段および右側刺激手段の各々は、可視光パルスを、等間隔で左右の眼に交互に順番に加えるように構成されている; (vi)これらのパルスの持続時間は、0.2〜0.5秒の範囲で、各パルス間の間隔は1〜8秒の範囲である; (vii)瞳孔測定器は各眼に合計4〜8のパルスを加えるように構成される; (viii)瞳孔測定器は、各眼に対して合計で7つのパルスを加え、各パルスの持続時間は0.4秒で、各交互のパルス間の間隔が1.6秒となるように構成される; (ix)各可視固視点は、対応するスクリーンにおけるアパーチャに接触する位置、またはそのアパーチャの後側に位置する、間断なく照射可能な着色光源から成っている; (x)可視固視点それぞれの光は緑色である; (xi)固視点およびレンズの各々は、固視点が基本的に無限遠の位置に現われるように構成される; (xii)スクリーンおよびレンズの各々は、観察可能な視角を10±0.5度以上、たとえば20+/−2度であるように構成される; (xiii)瞳孔しきい値を、フィードバックループの刺激強度の変動によって決める; (xiv)瞳孔しきい値を、フィードバックループの刺激持続時間の変動によって決める; (xv)瞳孔しきい値を、レーバー先天黒内障治療において決める; (xvi)瞳孔しきい値を、加齢黄斑変性治療において決める; (xvii)瞳孔しきい値を、網膜色素変性治療において決める; (xviii)原発開放隅角緑内障の可能性を判断するためにRAPDが用いられる; (xix)原発開放隅角緑内障の重症度を測定するためにRAPDが用いられる; (xx)原発開放隅角緑内障の重症度の進行を測定するためにRAPDが用いられる; (xxi)デシベル単位でRAPDに関する値を出力するように瞳孔測定器を較正する; (xxii)瞳孔測定器は、左眼および右眼への光の二次汚染を1%未満、さらに好ましくは0.01%未満まで減らす分断手段を備える: (xxiii)分断手段は、左側刺激手段と右側刺激手段との間を延びているとともに左側刺激手段と右側刺激手段とを分割している隔壁を有し、この隔壁は、左眼用の対物レンズと右眼用の対物レンズとの間を延び、さらに左側接眼レンズと右側接眼レンズとまでで延び、かつ左側接眼レンズと右側接眼レンズとの間をさらに延びており、このことにより、右側刺激チャネルから光学的に分断された左側刺激チャネルを形成する; (xxiv)左側刺激チャネルおよび右側刺激チャネルの各々は、対物レンズと接眼レンズとの間に位置する第一の面ミラーとコールドミラーとを有する; (xxv)左側刺激チャネルおよび右側刺激チャネルのミラーは分断手段全体に広がっていない; (xxvi)分断手段が、左眼および右眼への光の二次汚染を減らすために被験者の顔に合わせるように、左側接眼レンズと右側接眼レンズとの間を瞳孔測定器のハウジングから延びる弾性部材をさらに有する; (xxvii)この弾性部材は、光非透過性の発泡体である; (xxviii)対応するスクリーンのアパーチャと接する位置、またはその後側に位置する、間断なく照射可能な色付き光源からなる各可視固視点は、青色を発光するLEDである; (xxix)RAPDを測定する方法は、刺激することなく左眼および右眼の瞳孔サイズを測定するステップと、瞳孔不同に起因する網膜照度の減少量を求めるステップとを含む; (xxx)網膜照度の減少量は、より小さな瞳孔直径を2乗したものを、より大きな瞳孔直径を2乗したもので除算した値を求めることにより算出される; (xxxi)網膜照度の減少は、より小さな瞳孔直径を2乗したものを、より大きな瞳孔直径を2乗したもので除算した値の負の対数をとったものを求めることにより算出される; (xxxii)算出された網膜照度の減少を、被験者のRAPDを評価する場合には以下の点によって考慮する: (i)より小さな瞳孔を有する眼に、見掛けRAPDが存在するとき、疾病に起因するRAPDは、見掛けRAPDから瞳孔不同によって引き起こされたRAPDを減算して算出される点; (ii)より大きな瞳孔を有する眼に見掛けRAPDが存在するとき、疾病に起因するRAPDは、見掛けRAPDに、瞳孔不同により引き起こされたRAPDを加算して算出される点。]
权利要求:
請求項1 被験者の相対的求心性瞳孔障害を評価するための両眼瞳孔測定器装置であって、独立して各眼に異なる強度の複数の刺激となる可視光パルスを加えるように構成されている刺激手段と、左眼および右眼に関する個別の瞳孔反応データを生成および記録するように構成されている感知手段と、を有している両眼瞳孔測定器を備えており、(i)記録された前記瞳孔反応データから、相互に平行とはなっていない、前記左眼および前記右眼の各々の強度に対する見掛け瞳孔反応を求め、(ii)前記左眼および前記右眼の強度に対する見掛け瞳孔反応間の面積差Dを算出し、(iii)前記左眼および前記右眼に関する修正瞳孔反応であって、相互に平行であり、前記左眼の見掛け瞳孔反応と前記右眼の見掛け瞳孔反応との中間で傾斜し、前記面積差Dだけ分離されている修正瞳孔反応を生成し、(iv)前記左眼および前記右眼の前記修正瞳孔反応に基づいて相対的求心性瞳孔障害に関する値を算出し、(v)前記修正瞳孔反応特性に基づく前記相対的求心性瞳孔障害に関する値を出力することにより、被験者の相対的求心性瞳孔障害を算出するように構成された処理手段をさらに備える両眼瞳孔測定器装置。 請求項2 前記処理手段が前記両眼瞳孔測定器内に収容されている請求項1に記載の両眼瞳孔測定器装置。 請求項3 前記処理手段が、前記左眼および前記右眼の見掛け瞳孔反応の傾斜の平均値を求めることにより前記修正瞳孔反応の傾斜を算出するように構成される請求項1または2に記載の両眼瞳孔測定器装置。 請求項4 前記処理手段が、前記見掛け瞳孔反応の各々の振幅を強度について積分し、一方から他方を減算することにより、前記見掛け瞳孔反応間の前記面積差Dを算出するように構成されている請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の両眼瞳孔測定器装置。 請求項5 前記処理手段が、2dBの強度範囲における前記面積差Dを算出するように構成されている請求項4に記載の両眼瞳孔測定器装置。 請求項6 前記処理手段が、縮瞳の所定の振幅で、前記左眼および前記右眼に関する前記修正瞳孔反応の強度軸に沿った前記分離を求めることにより前記相対的求心性瞳孔障害の値を算出するように構成されている請求項1から5のいずれか1項に記載の両眼瞳孔測定器装置。 請求項7 前記両眼瞳孔測定器が、前記被験者の眼に対応して位置決めされた接眼レンズと、前記左眼および前記右眼に関する個別の瞳孔反応データを生成および記録するように構成されている感知手段と、これらと一緒に収容され、交互に前記左眼および前記右眼に対して独立して刺激用可視光パルスを加えるように構成されている左眼刺激手段および右眼刺激手段とを備えており、前記左眼刺激手段および前記右眼刺激手段が分断手段により光学的に分断されており、前記左眼刺激手段および前記右眼刺激手段の各々が照射可能なスクリーンを有しており、この照射可能なスクリーンが、可視固視点を有しているとともに、該スクリーンと接眼レンズとの間に位置する対物レンズを通じて視認可能となっており、前記スクリーンおよび前記レンズは、観察可能な視角が少なくとも9度となるように設定されていることを特徴とする、請求項1から6のうちのいずれか1項に記載の両眼瞳孔測定器装置。 請求項8 異なる光強度の可視光パルスによって独立して刺激したときの、左眼と右眼との各々において観察される収縮についての瞳孔反応データから、被験者の相対的求心性瞳孔障害を評価する方法であって、(i)記録された瞳孔反応データから、互いが平行ではない、前記左眼および前記右眼の各々の強度に対する見掛け瞳孔反応を求めるステップと、(ii)前記左眼および前記右眼の強度に対する見掛け瞳孔反応間の面積差Dを算出するステップと、(iii)前記左眼および前記右眼に関する修正瞳孔反応であって、相互に平行であり、前記左眼の見掛け瞳孔反応と前記右眼の見掛け瞳孔反応との中間で傾斜し、前記面積差Dだけ分離されている修正瞳孔反応を生成するステップと、 (iv)前記左眼および前記右眼の前記修正瞳孔反応に基づいて相対的求心性瞳孔障害に関する値を算出するステップと、(v)前記修正瞳孔反応に基づく前記相対的求心性瞳孔障害に関する値を出力するステップと、を含む方法。 請求項9 前記相対的求心性瞳孔障害(RAPD)に関する値を出力するステップが、直接対光刺激状態下で各眼について測定される見掛け瞳孔反応に基づいてRAPDの値を出力するステップと、共感性対光刺激状態下で各眼ついて測定される見掛け瞳孔反応に基づいてRAPDの値を出力するステップと、を含む、請求項8に記載の方法。 請求項10 前記修正瞳孔反応が、前記中間の位置から10%以内にある、請求項8または9に記載の方法。 請求項11 前記修正瞳孔反応の傾斜が、前記左眼および前記右眼の見掛け瞳孔反応の傾斜の平均値である、請求項10に記載の方法。 請求項12 前記見掛け瞳孔反応間の面積差Dは、前記見掛け瞳孔反応の各々の強度に対する振幅を積分し、一方から他方を減算することによりを算出される、請求項8から11のうちのいずれか1項に記載の方法。 請求項13 前記面積差Dは、2dBの強度範囲にわたって算出される、請求項12に記載の方法。 請求項14 前記相対的求心性瞳孔障害の値は、所定の振幅の縮瞳で、前記左眼に関する修正瞳孔反応と前記右眼に関する修正瞳孔反応との、強度軸に沿った前記分離から算出される、請求項8から13のいずれか1項に記載の方法。
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同族专利:
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引用文献:
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